1条(目的)
入管法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。
▼解説
入管法の正式法律名は、「出入国管理及び難民認定法」と言います。
外国人の円滑な受け入れと好ましくない外国人の排除をバランスよく適正に実現させることを目的としています。
そして、この目的を実現するために「在留資格制度」をしっかりと整備し、日本国にとって好ましい外国人を円滑に受け入れるシステムを構築しています。その一方で、退去強制手続を整備して、日本で犯罪を犯す外国人に対しては厳しい対処で臨むことを定めています。
2条の2(在留資格及び在留期間)
①本邦に在留する外国人は、入管法及び他の法律に特別の規定がある場合を除き、それぞれ、当該外国人に対する上陸許可もしくは当該外国人の取得に係る在留資格又はそれらの変更に係る在留資格をもって在留するものとする。
▼解説日本に居住している外国人は、何かしらの在留資格をもって日本に在留しています。
②在留資格は、別表第一の上欄又は別表第二の上欄に掲げるとおりとし、別表第一の上欄の在留資格を持って在留する者は当該在留資格に応じそれぞれ本邦において同表の下欄に掲げる活動を行うことができ、別表第二の上欄の在留資格をもって在留する者は当該在留資格に応じそれぞれ本邦において同表の下欄に掲げる身分もしくは地位を有する者としての活動を行うことができる。 ▼在留資格についてはこちらのページを
在留資格と在留カード③第1項の外国人が在留することのできる期間(在留期間)は、各在留資格について、法務省令で定める。この場合において、外交、公用、高度専門職及び永住者の在留資格以外の在留資格に伴う在留期間は、5年を超えることができない。
3条(外国人の入国)
①次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に入ってはならない。
一 有効な旅券を所持しない者
二 入国審査官から上陸許可の証印もしくは9条第4項の規定による記録又は上陸の許可を受けないで本邦に上陸する目的を有する者
②本邦において乗員となる外国人は、前項の規定の適用については、乗員とみなす。
外国人が日本の領域内に入るには有効な旅券を所持していなければなりません。有効な旅券を所持しないで日本の領域内に入った場合は、不法入国となり、退去強制されるほか、入管法70条1項第1号の該当者となり、刑事罰となります。
※3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役もしくは禁錮及び罰金を併科する。
ただし、乗員または我が国において乗員となる外国人については、有効な乗員手帳を所持していれば、有効な旅券を所持していなくても日本に入国することができます。
5条および5条の2
我が国は、次のような外国人の入国を拒否しています。
①保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
②反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
③我が国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
④我が国の利益又は公安を害する恐れがあるため上陸を認めることが好ましくない者
⑤相互主義に基づき上陸を認めない者
▼詳しくは、こちらのページをご覧ください。入管法5条 上陸の拒否
6条(上陸の申請)
①本邦に上陸しようとする外国人は、有効な旅券で日本国領事官等の査証を受けたものを所持しなければならない。ただし、国際約束もしくは日本国政府が外国政府に対して行った通告により日本国領事官等の査証を必要としないこととされている外国人の旅券、再入国の許可を受けている者の旅券または難民旅行証明書の交付を受けている者の当該証明書には、日本国領事官等の査証を要しない。
②前項本文の外国人は、その者が上陸しようとする出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けなければならない。
③前項の申請をしようとする外国人は、入国審査官に対し、申請者の個人の識別のために用いられる法務省令で定める電子計算機の用に供するため、法務省令で定めるところにより、電磁的方式によって個人識別情報(指紋、写真その他の個人を識別することができる情報として法務省令で定めるものをいう)を提供しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
一 特別永住者
二 16歳に満たない者
三 外交・公用の在留資格を有する者
四 国の行政機関の長が招へいする者
五 前2号に掲げる者に準ずる者として法務省令で定めるもの
▼解説
原則、外国人は、日本国領事官等の査証(ビザ)を受けなければ日本に上陸することができません。
そして、査証(ビザ)を受け、日本に上陸しようとする外国人は、出入国港で入国審査官の上陸審査を受けなければなりません。このとき、法令により免除されている場合を除き、入国審査官に対し、指紋及び顔写真などの個人識別情報を提供しなければなりません。
7条(入国審査官の審査)
入国審査官は、上陸の申請があったときは、当該外国人が次の各号に掲げるための上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 有効な旅券及び日本国領事館等が発給した有効な査証(ビザ)をもっていること
二 申請に係る活動が偽りでないこと
三 我が国で行おうとする活動が、入管法に定める在留資格のいずれかに該当していること
また、上陸許可基準のある在留資格については、その基準に適合していること
四 滞在予定期間が、在留期間を定めた施行規則の規定に適合していること
五 上陸拒否事由に該当しなこと